明日の手前少し前。

今日の終わりと明日への片道切符。吐き出される虚無感。

コバルトデイズ

蒼い日々は過ぎ

もう戻らない。

蒼い日々を持て余した頃

ただ浪費するばかりの僕らは 

 

気付かず失い零す

 

蒼い日々は過ぎ

もう帰らない。

 

時を巻き戻すように

年を重ねる度に懐かしい顔が並び

懐かしい話ばかりに逃げ込む

 

何か変わったことに

目を逸らしても

こうしていることで、ただ救われた

 

暗い昼間の商店街

僕らはまたなと

声にならないサヨナラを交わして

舞い戻る

 

何か違ったことに

目を逸らしても

そうすることで、ただ救われた。

 

蒼い日々は過ぎ

もう歩めない。

ctr+s

また昨日は上書きされた。

偉大な何かを残したり

誰かと何かを共有できたわけもなく。

 

このフォルダにただら1つの

ファイルが上書きされていく。

 

何かの為に作っておいた

_oldフォルダはまだ空のまま

 

ただただ

同じような場所を繰り返し通り過ぎる

目に触れることで、身につけるふりをして

幾らか期待する事柄は

未来に綺麗にかき消されてく。

 

ただ今はこの場所で。

 

空になる。

少しずつ溜めた水が

空になる直前で

 

ふと目が醒める。

 

誰かが呼び止める声が聞こえる。

微かに。

焦りの中で踠き続けることで

わづかに浮上するキッカケを掴むことだって

 

ない訳ではないだろう。

 

膨大な乱数の中から

たった数個の正解を引き当てることなど

明らかな諦めの目が答える。

 

それでも、引くしかない

選ぶことなど出来ない僕らは

長い時間をかけて

 

少しずつ溜めた水が
こぼれ落ちる直前で

 

ふと目が醒める。

 

誰もいない

真っ青な場所で。

キミノミル

あどけないキミノミル夢を壊さないように。

 

真夜中に想う。

 

まだまだやらねばと。

 

ネジを巻き、日の出を待つ。

 

まだ朝は来ない。

 

少しだけ休めばいい。

 

キミノミル夢を。

 

守りたい。

鍵穴を。

鍵さえあれば。

叶うと信じてやまない僕らは。

 

鍵穴を知ることもなく。

鍵さえも見つからない。

 

誰か(ひと)に尋ねる訳でもなく

身体を起こす訳でもない。

雨を浴びることを毛嫌い

屋根がある道を好んで歩む。

 

チャンスさえあれば。

全てが変わると信じてやまない僕らは。

 

その身朽ち果てるまで

微動だにしない捨て駒以下なんだ。

 

探せ。

鍵穴を。

奏でることもなく。

朽ちる木々が、あるように。

 

奏でるものなく。

弾ける弦に心踊る時代は過ぎ去り

 

ただ重たく軋む、歯車を回し続ける。

 

吊るされた餌はとうに味気なく

地に転がる果実の芯みたい。

 

先などわからないまま

誰かが実を得る為に

 

明日も

明後日も

 

ただ重たく軋む、歯車を回し続ける。

 

 

 

 

捻り巻く

時計の針を捻り巻く。

 

戻したいのは時でなく

 

なんだというんだろうか。

 

あの瞬間まで戻れることで

 

変わるものは今か

 

結果など重要ではなく

 

飛び越したい時間こそが

 

結果を作ったものだ

 

捻り巻くのは

見たくないもの

 

変わらないのは

見たくないものたち。

 

わかっているだろう。