明日の手前少し前。

今日の終わりと明日への片道切符。吐き出される虚無感。

つまりその。

何があるんだろうか。

逆向きに座り、生温かい風を感じながら

遅すぎた線引きに目を眩ました。

 

つまりその。

何処なんだろうか。

 

皆が歩きたがるその先にある場所は。

 

貨物列車が過ぎる度に

切り裂くように

空間を削ぎ落とすように

冬は浸迫る。

 

つまりその。

このまま歩く道に

未来などあるんだろうか。

 

誰に聞けばよい?

そんなこと

真夜中は


切り裂くように
冬を包み育む。

 

ゆらりと。

今日も四角い箱に揺られ。

 

なんとなく、やり過ごした今日が。

 

ゆらりと

 

明日に溶けこんでいく。

 

同じことばかり繰り返す。

 

呆れ顔の俺が、俯瞰で俺を見下ろしている。

 

ゆらりと

 

明日はきっとやってきて

 

また少しだけ期待する。

 

いつか訪れる筈の幸運に。

 

そんな俺を

 

俯瞰から呆れ顔で俺が見てる。

34分。

今日が上書きされるまで34分。

 

金曜だから?

いつもより人が多い箱には

平日の疲れを引きずる者と

いっときの開放感を先取る者と。

 

何にせよ、

あと数十時間。

 

生き返ることを許される。

 

四角い箱の四角い窓から流れる黒に

白や黄色の光。

そこにあるのは無機質な光ではあるけれど

 

どうしてだろう。

 

少しだけ優しく感じる。

 

束の間の時間が

そう見せているのだろう。

 

 

 

秋立ちぬ。

日々繰り返すように

積まれたタスクをこなしながら

漏れそうな水を仲間とすくうのに必死で

見ないふりをしている事柄から

 

今日も逃げ切った。

 

日々変わらぬように

真夜中の道路には嘘や

罠や善意や悩みが転がっている。

 

逃げ切った昨日は

すぐに背中に張り付いて

無表情な朝を連れてくる。

 

あと何時間

誤魔化しの自由がある?

 

またすぐに

繰り返す。

 

秋立ちぬ真夜中に

死んだ目で季節を閉じる。

 

遠くへ。

このまま揺られ続けても

紙に書かれた端っこに辿り着くだけなんだろう。

その先にまた、端から端までの紙があるだけで、きっとなんにも変わらないんだろう。

 

昨日から明日を乗り越した。

消化できない気持ちを抱えたままで

なんとなく。

 

明日もカレンダーの、青と赤を目指して重たい足を引きずるんだろう。

 

 

静流夜

雨シズル夜に想うことは

馬鹿馬鹿しくも後悔に満ちて、雨粒が汚れた面を流して行く。

 

だが、それで何が許されりだろうか。

無駄に重ねた月日が

疎らに巣食う悪夢を肥やして行く。

 

8分後にリセットされる今日を

俺は消化しきれているんだろうか。

 

消化不良のまま、ただ流れて行く

雨粒はただ夜にシズルだけ。