2018-04-27 奏デライン まだ宵の口 頭の奥で響く聞き覚えのない調べ 見ないように進むのは 勇気がないから それでも耳を澄ますのは 人一倍周りが気になるから まだ宵の口 いつもと同じような時間に いつもと同じような人口密度だけ高い場所 未だマイナスなのに 何処か勝ち誇ったり 何も得ていないのに いつも用心深いのは これ以上、失いたくないから 上を向いて進めないのは 空いたポケットから溢れ落ちる何かが あると信じているから ふと真夜中に 忘れかけたフレットに指が走る 奏でたい音色さえ 見えないままに。