明日の手前少し前。

今日の終わりと明日への片道切符。吐き出される虚無感。

アルコールコーリング

アルコールを流すと

少しだけ時が止まる。

ほんの数秒。

役にも立たないフレーム数。

 

僕は解放される。

情け無いほどに積もった

業の数。

 

生まれてきたことを詫びるばかりで

残された小さな手を引いて

どうして旗を振れば良いのか?

 

いつだ。

自分が見えないようになったのは

誰だ。

自分を堕落させたやつは。

 

全てがかみ合わなくなり

僕だけが取り残される。

 

明日はないし

昨日は意味がない

 

先は見えないし

過去は役に立たない

 

ただ酒を飲むことで

忘れられる。

 

アルコールコーリング。

叫ぶよ。

断末魔。

ランディング・ハイ

最良の着地点がどこかなんて

見極められない。

追い込まれた僕に見えるのは

なんとなく生地された

ほどよく着地しやすそうな場所。

 

今まさにそこに着地しようと  

しているんだ。

 

周り見回しても他にも着地する場所など

見当たらない。

 

きっとここが最良。

きっとここが最後。

 

さあ行こう。

やるかやられるか。

それだけだろ。

空気になることで

なんとなくここにいて

あらゆる雑音に聞き耳を立てながらも

聞こえないふりをして

部屋に漂うように

高原に流れるような

澄んではいない、さわやかではない

なんとなく澱んだ空気になる。

 

重たくのしかかるようでなく

臨機応変に順応するように

そんなとこばかりうまくできるように

なんとなくその場にいないような。

 

誰にも

誰とも

なんら関わってなくとも

 

それでいい。

 

いつかたどり着く筈の場所は

ここでないから。

 

いつか

たどり着く

 

 

 

白昼迷路

たくさんの人がいる。

春の陽気、世間的にはホリデーだ。

桃色が風に舞い、新たな息吹を感じる。

 

笑顔が溢れる。

皆楽しそうだ。

希望に満ち溢れてるようだ。

 

そんな風に全てが映る。

僕の目にはそう映る。

 

幸せなことだってある。

嬉しいこともある。

希望に溢れて前を向くことも。

 

でも希望や幸せが大きいと

それだけ大きなダメージを喰らう。

 

怖いんだ。

 

ずっと思う。あの時、ああしたら。

あの時、こうしなければ。

そんな事を繰り返しながら、結局はネガディブの淵に堕ち込んでいく。

 

こんなにも希望が溢れている朝に

僕は白昼迷路を往く。

 

出口なんてあるんだろうか?

それさえも知らないままに。

ただ不安を両手に抱えたまま。

  

僕は白昼迷路を往く。

 

闇夜行

闇を行く

誰もいない夜を行く。

風を纏い

朝を恐れずに。

 

闇夜行く。

孤独を孤高と履き違え

身軽であることが武器となる。

 

明日を有耶無耶にすれば

なんとか朝になる。

見たくないものから目をそらしながら

ひたすらに突き進む。

 

逃げて逃げて逃げて行く。

 

誰の目にも付かぬよう

闇を行く。

 

だから、大切なものにも気づかない。

だから、闇夜行く。

行き止まる

上がったり、下がったりを繰り返して

確実に落ちていく。

近くで見れば大したことないような。

遠くでみれば坂道を転げているだけさ。

 

夜がカーテンを引くと、空気が澄んでいく。

首筋を冷たい風が指すとまた明日が近くまで来ていることを思い知る。

 

朝になれば、重たい足を引きずりながら

先のない未来を演じるだけの無駄な時間を浪費する。

 

なんとなく後回しにしてきた。

ツケ払いで済むと思っていた人生の中に

後悔しか残らない。

 

もっと正しく生きていれば良かった?! 

もっと明日を直視すれば良かった?!

明日が来なければここで終わる。

明日を迎えなければ、これで終われる。

 

路につけた足跡は何の意味もなく

振り返っても誰もいない。

 

行き止まることを理解した。

生き止まることを許可した。

 

少しプラス、大きくマイナス。

少しの幸せを貰ったことを

脳は覚えている。

ほんの少しの幸せを貰っただけのことを

バチバチと覚えているんだ。

 

少しプラス。

 

でもすぐに大きくマイナスな出来事が起こってただただ何も残らない。

空っぽの手のひらに、空っぽのココロ。

虚無感に激しく襲われて

自分という存在価値を見出せない。

 

誰にも必要とされず

 置き去りにされた。

 

希望なんてない。

ただただその場凌ぎの旅を続けるしかない。

 

わかっているんだ。

あの時、ああしていたら良かったって。

わかっているんだ。

何度も手を差し伸べてくれた人を裏切っているって。

 

情けない大人になった。

大きなマイナスを、小さなプラスで誤魔化してきた。

 

笑えない夜が来た。 

明日などない、明日などなければ、全部チャラになるのに。