明日の手前少し前。

今日の終わりと明日への片道切符。吐き出される虚無感。

続く世界

一区切り付かないまま 

考えられる中で、割と酷い終幕を迎えながらも

数十時間もすれば

なんとなくめでたい雰囲気溢れ

なんとなくありそうな抱負を抱えて

 

一区切り付かない前の状態に

戻ってくる。

 

西暦の1番右の数字が変わったからって

問題の本質は何も解決してない

 

それでも

無理やりに区切りをつけて

続いていく世界でもがき続ける僕ら。

 

終電+20m

何フレームかの違いなら

気持ち良い尺合わせで、話は終わる。

 

なんだか気まずいタイミングで

何万フレーム遅れてやってくる

 

なんだろう

この感じ。

 

長い休憩前だから、

なんとか騙されているかのような

なんとなく有耶無耶に。

なんとなく曖昧な。

 

どうせ今夜も

 

そう思えばそのままに

 

長い夜を越えながら

すぐくる朝に滑り込む。

 

また明日も

いくらかズレるフレームを

赦す夜。

 

 

 

イリーガル・ルート2345

順路が示す側には、

分かりきった未来。

 

順路を辿った先には

きっと割とましな未来。

 

それでも外れて行くルート。

 

大分進んだ先でやっとわかりすぎる

イリーガル・ルート。

 

どうやったってこの道にたどり着く

結局はこの道だけが

いわゆる人生。

 

かき混ぜる

365日走のゴールが見えてきて、

良くないこと

なんとかしなきゃならないことを

なんとなく

ごちゃ混ぜにして

 

なんとなく

終わらせようとしてる。

 

少し長い週末前に

仕事を先送りにするように。

 

重たい月曜日がすぐに顔をみせるのに。

 

暖かい真冬の夜に

なんとなく

残り少しの穢れを

 

見えてないふりして

またかき混ぜる

向かいのホームから

0が三つ並ぶ。

定刻ならば、あと60sもすれば今日も疲れを乗せた、この日最後の箱がやってくる。

 

勢いを消さず通り過ぎた鉄の塊に、

伸びすぎた髪を乱しふと見上げた

ホームの向こう側。

 

知らない街に連れて行ってくれる

そんな好奇心を想像すれば

なんとなく少し楽しくて、

なんだか明日がすぐそこに来ていても

今日なら受け流せる気がするんだ。

 

意味がないようで、すべてに伏線があるならばいつかこの日も報われる。

 

今日ばかりは

そう思って明日もまたこの時間に。

 

 

 

立ち止まる

その場から足早に立ち去ると

直ぐに重い足音を引き摺り

軋む車輪が転がり込んだ。

 

少しだけ、立ち止まり

ただ鉄骨が無造作に組まれた天を仰ぎ

大きな溜息をついた

 

いつからか

狭くなるばかりの視界に

広くなるばかりの世界は映りにくくなり

日々すり減らす肉を心を。

 

ただ過ぎるだけの時間に

形を求めるから。

 

こうして幾ばくか立ち止まり

溜息つくことが

何処か大事なことのようになる。

 

何も意味がないことも。

何も変わらないことも。

 

立ち止まる前から

わかってる。

 

それでも

少しだけ、立ち止まり
ただ鉄骨が無造作に組まれた天を仰ぎ
隙間から見えた真っ白な月に

 

ただ溜息とは違う、言葉を吐き出した。